RLMライセンスシステムを使用するソフトウェアを複数お持ちの場合、ポート番号の重複などでライセンスエラーが発生することがあります。
RLMライセンスの共存および管理方法について、以下にご案内させていただきますので、ご参考にしていただけますと幸いです。
RLMのライセンスは主に以下の3つの要素で構成されています。
- rlm ファイル
- ISV.set ファイル(ISV例:genarts、idvinc、lightmap、nextlimit、redshiftなど)
- ライセンスファイル(.lic)
*ISV = Independent Software Vendor の略
複数のRLMライセンスを1台のライセンスサーバーで稼働するには、以下のいずれの方法があります。
- 一つのRLMで統一して管理する
- 各メーカーのRLMを使用して、別のウェブインタフェースにて管理する
Reprise Software社が提供する最新のRLMでライセンスを統合管理する場合は、(1)のオプションを選択することにより、共通のウェブインタフェースでライセンスを管理することができます。
尚、ベンダーによっては、使用するRLMのバージョンに指定がある場合がありますので、そのような場合には(2)のオプションで個別に管理していただくことを推奨致します。(例えばFoundry社製品のFLT)
*補足:一般的なRLMが使用するデフォルトのライセンスポートは5053、ウェブインタフェースのポートは5054となります。
それぞれの設定方法の詳細は以下にてご説明いたします。
【方法1】 既存のRLMを使用する。
単一のRLMプログラムを使用する場合、RLMのインストールディレクトリ(rlmがインストールされている場所)に各ベンダーが提供する.setおよび.licの拡張子が付く2つのファイルをコピーする必要があります。
(RLMプログラムは最新のものをご使用いただくことを推奨致します。)
RLM License Administration Bundle Downloads
(既にRLMが設定済みの場合、再度ダウンロードする必要はありません。)
例:
HDR Light Studioの場合:
・HDR Light Studioのライセンスファイル(.lic)
・lightmap.set
RealFlowの場合:
・RealFlowのライセンスファイル(.lic)
・nextlimit.set
Redshiftの場合:
・Redshiftのライセンスファイル(.lic)
・redshift.set
Sapphireの場合:
・Sapphireのライセンスファイル(.lic)
・genarts.set
※ライセンスが使用するポート番号は、ライセンスファイル(.lic)をテキストエディタで開き、次のように一行目の末尾にあるポート番号の記載を変更することで、ライセンスが使用するポート番号を任意のものに指定できます。
例: HOST localhost 0123456789ab 5059
*上記はライセンスが使用するポート番号を5059にした例です。
*ご使用のポートはお客様のネットワーク環境に適したものを指定してください。
これらのファイルをRLMのディレクトリにコピーし、rlm.exeを再起動すると、http://localhost:5054 のページで全てのライセンスを管理できます。
▽ISVサービスの再起動方法
ウェブブラウザで http://localhost:5054 を開き、ページ左側の Reread/Restart Servers ページにて、「-all-」もしくはベンダー名のISVサービスを再起動します。([REREAD/RESTART]ボタンをクリック)
【方法2】 RLMを別々に管理する。
ベンダーごとにライセンスを管理する場合(例えばメーカーが独自のRLMパッケージを提供している場合など)、ポート番号の重複を避けるために、RLM (rlm.exe)の起動時にライセンスとウェブインタフェースのポート番号を変更する必要があります。
この場合、ライセンスのポート番号は.licファイルで変更し、ウェブインタフェースのポート番号は rlm 実行時の -ws コマンドで指定できます。
※標準で、メーカー側でポート番号を5053以外に指定していることもあります。
コマンド例:
rlm.exe -c <ライセンスファイル名> -dlog <ログファイル名> -ws <ポート番号>
コマンドの説明:
-c <ライセンスファイル名>
:RLMが使用するライセンスパスを指定-dlog <ログファイル名>
:ライセンスのログファイルのパスを指定(オプショナル)-ws <ポート番号>
:ウェブサーバーのポート番号を指定(オプショナル)
このように設定することで、各ベンダーのライセンスをそれぞれのRLMウェブインタフェースで管理できます。
RLMをWindowsサービスとして登録する
RLMライセンスサーバーをWindowsサービスとしてインストールし、再起動時に自動開始するには、コマンドによる登録が必要となります。
- rlm.exeを実行している場合は終了します。
- コマンドプロンプトを管理者として実行します。
cd
コマンドでrlmのディレクトリに移動します。
例:cd C:\Program Files\RLM
- 下記のいずれのコマンドを実行してRLMをWindowsサービスとしてインストールします。
--------------------------------------------------rlm.exe -install_service -service_name RLM -dlog rlm.log
rlm.exe -install_service -service_name RLM -dlog +"C:\Program Files\RLM\rlm.log"
--------------------------------------------------
1行目のコマンドを実行することで「RLM」という名前のWindowsサービスが登録され、「rlm.log」というログファイルを作成します。既にログファイルが存在する場合は、ログの上書きを避けるために2行目のように「+」記号を追加して実行することもできます。 - 上記のコマンドだけではRLMサービスは起動しないため、Windowsの[スタート] > [コントロール パネル] > [管理ツール] > [サービス]でサービス画面を開き、「RLM」サービスを右クリックして、[開始]を選択してサービスを起動します。
サービスをマシンの再起動時に自動的に開始させたい場合は、右クリック > [プロパティ] の[スタートアップの種類]を「自動」に設定してください。
以上でWindowsサービスへの登録が完了です。
詳細ついては、英語ですが、RLM License Administration Manual (PDF 13ページ目)の「Running the RLM server as a service on Windows」をご覧ください。
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